8日、地方分権改革推進委員会の第二次勧告がまとまり、直ちに丹羽委員長から麻生総理大臣に提出されました。主要な国道や河川の管理を行う国土交通省の地方整備局、大規模な農地などの整備を行う農林水産省の地方農政局など国の出先機関のあり方が最大の焦点でした。先月6日、麻生総理大臣が、「原則廃止」だという考え方を打ち出し、事態が動きました。それまでは中央省庁側の抵抗がきつく袋小路に入っていました。
その後、「原則廃止」は、「抜本的統廃合」と表現を変えました。「原則廃止」が一人歩きしてしまうと、まずいとの総理周辺の判断が働いたのではと思っています。結果的に勧告は、地方整備局など六つの機関を廃止して統合し、新たに地方振興局を設置することとなりました。直轄工事などを行う実働部隊は、地方工務局としてまとめられることなりました。更にこれまで地方自治体側が手を出せなかった国の出先機関の計画立案や予算などに対等な立場で意見を言うことが出来る場として「地域振興委員会」を設置することを盛り込みました。
最大の焦点は、国の出先機関の人員削減の数値目標を入れるかどうかでした。東京都副知事の猪瀬直樹委員が徹底してこだわりました。丹羽委員長も受け入れて勧告案の中に35000人程度の削減を目指すべきだとの文言が入りました。猪瀬さんの粘り腰というほかありません。私も数値目標が入ったことにより、国の出先機関は将来的には原則廃止し、地方へ移すという方向性がより具体化したと評価しました。
今回の勧告案の取りまとめは、全て水面下で進められました。私はこうした手法に一貫して反対し委員会の場で再三意見を述べましたが、無視されました。抗議する意味で、水面下の調整には参加しませんでした。事前に漏れると中央省庁や国会議員の抵抗が強まるとの配慮でした。でも、実際は、途中一部マスコミに勧告案が、すっぱ抜かれたりしました。マスコミに出るぐらいならば、もう少し表舞台で議論して、委員の間にどのような意見の対立があるかを明らかにすべきです。その方が国民の地方分権改革に対する関心を高めます。やり方を変えるべきです。
勧告は出されたものの実現は容易ではありません。中央省庁の抵抗やそれに連なる国会議員の反対があります。一方、地方自治体側でも、早速、勧告内容に対し、不十分だとの不満が出されています。勧告を取り巻く環境は厳しいです。しかし、この時点で、数値目標を入れ込んだ勧告を出したことは大いに評価されるべきだと私は思います。また、私も、地方自治体の一員です。その立場から議論に参加していますと、地方側からもっと分権を勝ち取るという率先した実践行動が必要だと思えてなりません。主張する以上は待つのではなく、まず、実際に行ってみることが大切だと思います。
いよいよ、次は、国庫補助金のあり方、国と地方の税源配分の問題、地方同士の財政格差の是正といった、かねめの話しに入ります。これは、国と地方という区分けでは話しは成り立ちません。財務省とそれ以外の官庁では見解が異なります。東京都のような財政力があるところと、財源の不足している地方では、考え方に、大きな差があります。このような中で、あるべき地方の税財政を示そうとするのですから、難問中の難問です。しかし、針のむしろのような舞台で議論できることは、もちろん大変ですが、わくわくします。今度こそ、もっとオープンな場での議論を積み重ねて勧告へとつなげたいです。勝負します。